★ 流れ星の器 ★

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結城友奈は勇者である-2期 11話 感想

今年初めての感想です。

長文になってしまった為またも遅めの更新失礼します。

◇今回の話の流れ

  天の神のタタリにより死期が間近に迫る友奈の元へ一人の大赦神官が訪れる。
神官の話だと神樹様の寿命が近づいておりこのままだと世界終焉の危機なのだとか。
寿命を延ばすには神樹様と御姿(みすかた)が結婚、神婚する事。
友奈は第一期最終話で強引な満開により体がほぼ全てを散華する。神樹様に新たに体を製造され御姿になった為、神婚の相手に選ばれた。

神婚が成立すれば全ての人間が神と等しい存在となり神樹様の側で生きていけるが、神婚した御姿は死んでしまうと言う。

友奈は世界を守る為自分が神婚する事を勇者部に打ち明けるも猛反対され口論にまで発展し、その場から逃げ出してしまう。
彼女を探す勇者部一同は大赦神官に呼び出され神婚を受け入れる様説得されるが納得出来る者等要る筈もない。

そこへ突如現れた巨大な敵が空を覆いつす。

 

◇今回のポイント

・安芸先生再登場
わすゆで園子や須美(東郷さん)の教師だった安芸先生が再び登場しました。

前々回から友奈に祟りについて日記を記すよう大赦からの指示を伝えたのは彼女でした。
仮面で顔を隠し大赦神官の衣装に身を包んでいます。エンディングのクレジット名もあくまで「大赦神官」と書かれています。その喋り方や仕草は嘗て厳しくも何処かしらあった愛嬌は微塵も感じられません。
感情を極限まで抑えてる様で、大赦に与えられた支持を淡々と勇者達に伝えます。

友奈が神婚する事に反対する勇者部に対し世界の為に戦士した銀の名前を出し英霊呼ばわりするあたり、この人もすっかり変わってしまった様ですね。
所々声を震わせてる所を見る限り心を痛めてない訳ではないでしょうけど、せめて顔だけでもさらけ出して園子と東郷さんと話してほしかった物です。この人の心中がさらけ出される日は来るんでしょうか。

 

・友奈と勇者部の口論
友奈は自分の余命が近い事もあって最早自暴自棄になってる印象です。
自分は自業自得だから生贄になっても良かったと話す東郷さんに対し「私は貴女の代わりに」と
心に無い事を言いそうになる姿からして、友奈がどれだけ追いつめられてるかが見て取れます。
しかし今の彼女を見ると僅かでも東郷さんを救った事を後悔してる様にも見えます。もし上記の台詞を全て吐いてしまったらそれこそどちらも自責の念に駆られて身を投げてしまいそう。
本人にその気はなかったにしても、結果的に友奈は自分で勇者部五箇条を否定する事になってしまいました。

風先輩が友奈に対して怒る気持ちも十分理解できます。
「全ての人間が神の元へ行って永遠に生きられる」
こんな胡散臭い宗教の謳い文句の様な話の為に友達が死のうとしてるのですから。
それなりに大赦を擁護してきた園子ですら今回ばかりは風達に賛同します。


また、大赦の神婚の話の伝え方もかなり汚いです。友奈がタタリが原因で他者とのコミュニケーションを制限させられてる事は神託で熟知してる筈なのに先に友奈にだけ伝えに来ました。

これでは他の勇者達に伝わると反対されるので組織にとっては都合が悪かった様にしか見えません。
案の定、友奈は一人で神婚を受け入れる気になりました。

私もこれまで大赦は世界を守る為に仕方が無いのだと擁護してきましたが今回ばかりはこの組織に心底怒りが湧きました。

一期、須美の章では散華の事を隠したり、追憶の園子では祀ると言う建前で須美と合わせない様園子を隔離したり、

幾ら世界を300年も守って来たとは言え、組織の全容(どんな人物が取り切っているのか等の組織図)が未だに曖昧なので勇者を捨て駒に扱ってる印象が拭えません。
そもそも前期で東郷さんや風先輩が暴走した原因もこの組織が満開の秘密に蓋していたのが原因な筈。

何故ここまで腐敗してしまったのか、世界を延命させる為には人間性を犠牲にしなくてはならなかったのか。
もう少し説明がほしい所です。
頼むから勇者を人間として扱えと。神ではなく人間として。


・天の神(?)襲来
終盤では天の神と思しき巨大な円盤の様な物が街の空を覆いつくします。
神樹様が衰えてるからなのか、それとも天の神の力が圧倒的過ぎるのか、樹海化しません。
空全体を燃える様に覆いつくすその姿は恐怖その物。
インディペンデンス・デイのUFOが地球に来たシーンを思い浮かべると解り易いかと。

大赦神官の話によると300年前に天の神が世界を滅ぼした原因は、人間が神の力に近づいた事で怒りをかったと言われてるそうで、今回は神婚を妨害する為に現れた様です、。
これは初耳です。しかしそれなら尚更神に近づく神婚なんてして大丈夫なのだろうかと疑問に思うのですが。勇者システムも神樹様の力を分けて貰って使える訳ですし、300年前の人間は一体何をしでかしたのでしょうか。

今回は各キャラが友奈や大赦になど視聴者も今まで言いたかっただろう言葉を全力でぶつけてくれた辺りスッキリした回でもあります。 友奈は決して責める気は無いにしても何を考えているのか把握し難い大赦にはきっちり話を聞かないと気が済みませんでした。


最後に、台詞から察するに先生は自分に勇者の力があったら教え子たちの代わりに戦うつもりだったようです。
しかし神樹様の力は大人には適用出来ません。
だから私は神樹様にこう言いたい。

 

大人も選べ、

男も戦わせろ!

と。

 

いや、多分神樹様もそれが出来たら最初からしてるでしょうし、仮にもし勇者の力を誰でも使えたら絶対に悪用する人物が現れるでしょうから無暗責める訳にはいきません。

ただ私は大人に碌な奴が居ない描き方ってあまり好きじゃないと言うのが本音で、これだけ理不尽な状況だと嫌でも神樹様に文句を言いたくもなります。

 

つくづく勇者であるシリーズは「神」と言う言葉が嫌になる作品だと痛感しました。

明日はいよいよ最終回。完璧に全ての風呂敷を畳めるとは思えませんが、兎に角勇者部が皆五体満足で帰還出来る事を祈ります。