★ 流れ星の器 ★

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仮面ライダーゼロワン 6話 感想

またまた大分遅れました。7話と同時に公開します。

 前回がヒューマギアを道具として扱い潰してたのは正反対に今回はヒューマギアと人間を混同し過ぎた事による悲劇でした。ある意味石墨先生の様なヒューマギアの扱いの方がまだ気楽になれたでしょう。
尤も、ジーペンが仲間を粗末に扱う先生に対する反抗心でシンギュラリティに達し達してたので遅かれ早かれ対応が必要でしたが。

 

今回は声優ヒューマギアの香菜澤セイネ、そして彼女の所属事務所の多澤社長が登場。
ですが回の要点は「声優」ではなく「親子」でした。
ヒューマギアは発注前に顧客が見た目を自由に作成する事が可能です。
多澤社長が制作したセイネの外見は3年前に病死した娘と全く同じでした。
ゼロワンの法律では「本人の許可無しに他人に酷似したロボットを制作および使用は禁止」との事。
事情聴取に来た諫は「勝手に誰かに似せて作るロボットなど命の冒涜だ」と語ります。

 

◆他人に酷似したロボットを無許可で生産したら何が起こりうるのか
これまで見掛けるSF作品等では死んだ人間に酷似したロボットの制作に制限が掛らなかった作品は多いです。しかしもし実際に誰もが自由に他人に酷似したロボットを生産するとどんな事態が起きるのでしょうか。


肖像権の侵害は当然の事、何よりなりすましや犯罪等に利用される可能性は高い筈。
過激な話になりますが、好きなアイドルに酷似したヤバイ玩具なんて勝手に作られたらその人の尊厳に関わります。

 

別作品の話になりますが、仮面ライダードライブに登場した伴野博士は、自分の思惑通りに動いてくれなかった人間の姿をロイミュードにコピーさせサンドバック代わりとして非人道的な実験を繰り返しました。


他にもロボットではないですが仮面ライダービルドでは総理大臣等の権力者を極秘裏に暗殺し偽物が成り代わり国を統治するなんて事も有りました。ロボットでも外見を総理大臣に似せてそれを人間が裏で操るなんて事も可能な訳です。

勝手に他人に似せるだけでもこれだけの事件の可能性が浮上するのです。
ゼロワン世界の様な条例が造られるのも当然でしょう。

 

◆セイネの公開オーディションにて
VOCALOIDVtuberに馴染んだせいか、こうやってAIが人間と同じ様に声援を浴びる場面が今では不思議に思えなくなりました。時代の進歩は目まぐるしいです。


公開オーディション当日、自分が処分される事を悟ったセイネは親子愛によってシンギュラリティに達した様で、娘の記憶を思い出しながら多澤社長への感謝の気持ちを語ります。
「何時か天国でまた会おう」と言う台詞は最早AIを逸脱した台詞です。
恐らく多澤社長は生前の娘の姿を記録映像等を見せたりしてセイネに娘の記憶をラーニングさせたのでしょう。

返却したら処分される様な話になってますが、はたして壊す必要まであるのでしょうか。一旦見た目を大幅に作り変えて送り帰す、では駄目なのでしょうか?
とは言え軽い刑罰だけでは上記の様な事件が乱用するでしょうから重い刑罰にする必要があるのかもしれません。


セイネは自分がマギア化される事も予見していたとすれば、オーディションでの言葉も裏図けるのかも。
マギア化されたセイネが破壊された為か、結局多澤社長がどんな罰を受けたかは明確には描かれませんでした。社長は娘の声だけを喋る動かないAIを手元に置く事で少しは前向きになれた様です。

最後は或人により「人は心の支えが無いと生きて行けない」と言う、多澤社長の意見も尊重した形で話は締めくくられました。

これを「社長は結局失った娘の呪縛から逃れてない」ととるか「無理に大切な人の死を乗り越える必要は無い、死別との向き合い方は人それぞれ」ととるか。結局明確な正解など無いのでしょう。


今回の出来事は彼にとって他人事ではなかったでしょう。
閉めの「アルトじゃ~ないと!」も何処となく元気の無い印象。ヒーローだけでなく、社長と言うものは辛い立場になり易いですね。

 

◆迅の正体
これまで滅亡迅雷netの行動係として数多くのヒューマギアをマギア化させて来た迅。
その正体は滅びによって作られたヒューマギア。
前回、滅が彼を自分の子供だと言っていたのはこの為でした。

迅は「子供、親子」と言うワードに強く興味を示し独自に調査する内に
多澤社長とセイネの関係を見てシンギュラリティに達し、マギア化しようとするセイネを救おうとします。
しかしそれは滅にとって意図に反する出来事。
彼は迅を半ば強制的に仮面ライダーにさせる事でシンギュラリティに達したプログラムをリセットさせました。
迅の仮面ライダーへの変身シークエンスはまるで全身に拘束具が到着される様にも見えます。
リセットされた迅は事件後も今まで通り滅の指示通りに動きます。

これまで散々視聴者からヘイトを稼いで来た迅の印象がたった一話で見事に覆されました。
迅はこれまでマギア化させたヒューマギアには決まって「君は僕の友達だ」と評してましたが、今回の話を見るに彼は本当に心の奥底で友達を求めていたのかもしれません。
今後このまま彼が最後まで滅に使わされるだけとは思えません。彼の素性を知った時の或人がどう言う動くのか注目です。