★ 流れ星の器 ★

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結城友奈は勇者である-2期 5話 感想

話自体は前回の劇場版と同じですが、再度見て改めて感じた事を書いていこうかと。

  綺麗にエンバーミングされ眠る銀。いざとなって花を手向ける事に躊躇してしまう須美、須美と園子に対する反応に困るクラスメイト。一人のキャラの死をただのフィクションで済ませず、ここまで生々しく沈んだ空気の告別式を表現したアニメーションが他にあったか、私は記憶にはありません。以前劇場版3章の感想で私は1期の結末を知ってるので「そこまで泣けなかった」等と書きましたがそれでも銀が死んだ事に代わりはないのでこのシーンはあまり見たくないと言うのが本音ですよ。

 ただ須美の咆哮するシーンはどうしても鮮明に記憶に刻まれてしまうと言うか...

 

「銀は英霊になられた」「神樹様の元へ逝ける事は大変な名誉」「実に立派である」

告別式のシーンで零していた大人達のこれ等の言葉は、人の死を美化し銀の事を飾り物にしてる様で神経を逆撫でしたくなる方も多いでしょう。ただ、これ等の言葉って少なからず善意で述べてる筈です。あの銀の奮闘振りを知っている視聴者の方なら、銀を真の勇者だと言いたくなる筈です。

 

 今回の大人達の反応の要因はただ宗教概念に沿ってるのではなく、神樹様と言う神様が実在してるという環境が一番大きいと思うのです。四国の外はウィルスが充満した死の世界。土地神様の集合体である神樹様は四国だけでも生きていける様壁を作り恵みを与える存在。そんな存在が本当にあるならばあの対応が普通の可能性も。これがこの世界で精いっぱいしてあげられる事だと言う事なのかもしれません。

 

 とは言え家族や親しかった人物からしたら、その様な美辞麗句で割り切れる筈が有りません。死を賛美する言葉を浴びなくてはならない銀の両親は表情に出さずとも耐えがたい苦痛だった筈ですし、
何より御役目の詳細も知らず姉を失った鉄郎君は恐らく神樹様の事に対し敵意を抱いてもおかしくありません。
銀の事は今後教科書に乗せられ、三ノ輪家は今後世間から生涯保証される程の富を得る事となるそうですが、2年後が舞台である1期では三ノ輪家があれからどうなったかの描写は一切在りませんでした。この事について勇者の章では触れられるのか、非常に気になる所です。

 

次回はいよいよ鷲尾須美の章最終回。