★ 流れ星の器 ★

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マギアレコード(アニメ) 8,9話感想

www.nicovideo.jp

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全員分書くのは大変なので今回一番注目したキャラを中心に書きます。

 

◆二葉さな
今回の噂の重要人物であり、「独りぼっちの最果て」に留まっていた魔法少女
家族からの過激なネグレイトによりすっかりネガティブ思考に陥り、「透明になりたい」と言う理由でキュウべぇと契約します。
よく映画等で欲深く悪に満ちた人物は透明人間の力を利用して悪事を働きますが、
さなは「もう誰とも関わりたくない」と言うあまりにも悲しい理由で透明になる事を選びました。
契約して以降、彼女の姿は魔法少女以外認識出来なくなります。
しかし結果的に更なる孤独感に襲われ、さなは居場所を求める事に。
そしてたどり着いたのは「独りぼっちの最果て」
一人が入ると一人が出て行く仕組みであり、電波塔の頂上から飛び降りる事で侵入出来ます。

飛び降りた時のさなは魔法少女に変身していませんでした。
恐らく自殺覚悟だったのかもしれません。
噂が本当ならそれで良くて、嘘だった時は死ぬだけだと。

よくソウルジェムが無事でしたね。
下手すれば自分から生きる希望を奪った家族や連中に魔法で復讐だって出来た筈なのにそれをしなかったのは
優しさと言うよりも彼女が他人と関係を持つ事をとっくに諦めたからなのかもしれません。

原作ゲームではプレイアブルキャラが魔法少女になる経緯が短編で描かれる魔法少女ストーリーと言うストーリーモードが存在します。

そこではさなの家族の詳細がより深く描かれてます。
興味のある人は調べてみて下さい。義親がこんな性格なら一度離婚も納得なほど反吐が出そうな話です。

因みに、今年の4月から日本では改正虐待防止法が執行されます。
もしこれがマギレコの世界で適用されれば、さなの親達は法的に罰せられる可能性が非常に高いです。

体罰「軽くても禁止」厚労省指針案 長時間の正座など :日本経済新聞


現実でも児童虐待の事件が後を絶ちません。
こう言う経験を子供の頃からすると、将来対人恐怖症で社会生活に大きな支障をきたす可能性が有ります。
法律で縛る事が必ずしも事件解決になると一重には言えませんが、さなの様な仕打ちを受ける子が現実で少しでも減る事を切に願います。

アイの計らいにより、さなは外の世界へ戻って行きました。
しかし問題はまだまだここから。外の世界は今までさなを苦しめて来た地獄の世界。拠り所を失い舞い戻った地獄にどう向き合って生きて行けるかが、彼女にとって大きな問題となるでしょう。

連れ出したいろは達の責任は重大です。アイと言う支えを失ったさなと今後どう接していくかですね。

 

☆アイ(名無し人口知能のウワサ)
元はある研究機関が人との対話の為につり出した人口知能でしたが、人間の悪意に触れ過ぎて意図しない物に変化していき失敗作として破棄されました。ネットの中にひっそりと存在し進化したAIが対話する人間を求めて監禁する為に「独りぼっちの最果て」の世界を作り上げたました。

魔法少女と名の付く作品に難なく登場するAI。
これも今となっては驚きはしません。
それだけ世間が人工知能に馴染みだしたと思ってきてるので。

仮面ライダーゼロワンと共通点の有る話ですが、余計な入れ知恵で悪い方に変化するAIはもはやフィクションの中だけの問題ではありません。
既に実例も存在しますからね。

Tay (人工知能) - Wikipedia

さなによって名無し人工知能はアイと名づけられます。
元は感情も無く人々を拉致る為にマギウスの翼に利用され続けたアイは、さなと接していく内に彼女を救いたいと願う様になります。マギウスを拒み自分が何れ消滅する事を察したアイは魔法少女であるいろはを独りぼっちの最果てへ呼び出しさなを外へ連れ出す為に。

アリナの攻撃を受け致命傷を負ったアイはさなの手で消滅する事を望みます。
最終的にアイはさなと同じ姿になりました。
消えるのではなく似た境遇である為自分はさなと同じ、なのでさなが外に出る事は自分も外へ出られると同じ事。

言葉を選びながらさなを支えようとするアイが非常に健気でした。それ程まで成長したと言う事なのですね。

アイは元はプログラムに過ぎません。
AIと関わり過ぎると内向的な人間を増やすと言う話を聞きますが、そのお陰で生きる希望を見出す事も出来る事実が存在したら悲観的に捉える事も出来ません。

今回の事件をきっかけにさなにとってアイはプログラム以上の存在となり得た訳ですが、本気で友達と感じてる人にとってその存在をただの「自殺防止用のプログラム」と一言で済ませれる話でしょうか?

こうして人口知能を取り巻く話を見るとつくづくAIと言う問題は簡単ではないと身に沁みます。

 

◆深月フェリシア
みかづき壮に招かれて以降は傭兵業を止め、万々歳でバイトしてます。
いろはとやちよを罵倒され怒りで喧嘩に発展した所を警察に歩道されてしまいます。
この時やちよよりいろはを呼び出したのは親が居ない事を咎められる事を防ぐつもりだったのかもしれません。
フィクションじゃ話の都合上排除されがちな親ですが、現実問題で未成年者だけの生活は色々問題ですし。
ガラの悪さは変わらずとも何だかんだで他人想いですが、そのお陰でいろはが学校で孤立したと知ると責任感じそうです。
下手したらいろはに陰口した生徒に殴り込みに行くかも。

 

◆水波レナ
3話ぶりの登場です。

いろはに噂の事を尋ねられ
「一人ぼっちの最果て」や「透明人間」の噂の情報をいろはに伝えます。
「自分に友達は居ない」と即答するレナ。
5話の事でかえでが避けているとはいえ、絶交階段の事があってもまだかえでを友達と呼べないのでしょうか。
かえでが塞ぎ込んでる事に対しても「どうせ自分がまた何か言ったんでしょ」と語ります。

自分を卑下し過ぎてこのままだと余計な悪循環を招かないか心配になります。
いろはの為に自主的に噂を調べてくれる等良い所も確かにありますし、学校で似たような立場であるいろはが何等かの架け橋なると良いのですが。
こういうキャラが後で精神的に成長すると凄く面白そうですけどね。

 

◆秋野かえで
ドッペルを発動して以来、塞ぎ込んで周りを避ける日々を送ってる様です。
いろはとのSNSも返信しません。
最終回までに再起出来るでしょうか?

 

◆十咎ももこ
比較的人付き合いが得意なので他にも魔法少女以外にも友人が多い様です。
普通なら好意的に見られる性格ですが、逆にそれが災いしてレナとかえでに構う暇がとれない様に思えます。
二人ともそこまで人付き合いが得意じゃなさそうなので、下手にこう言いう人が側に居ると自分との温度差を感じそうです。

 

◇天音月夜
前回登場した天音姉妹の姉。
マギウスの翼のアジトかもしれない神浜セントラルタワーで、噂を辿っていたいろはと交戦します。
身に付けていた学生服のお陰で、普段は二葉さなと同じく水名女学園に通ってる事が判明しました。
戦闘中、ウワサにより監禁された少女の事を聞かれさなの名前を口にします。
反応からしてどうやらうっかりバラしてしまった様子。

尾行で拠点も通学場所もバレ、不用意に情報も漏洩。

...組織と言ってもほぼ中学生の集まりですし、絶対的な統率は無理が有るのかもしれません...。

 

◇アリナ・グレイ
天音姉妹が言っていたマギウスを束ねる御三方の内の一人。
生と死というテーマに取り憑かれた天才芸術家であり、魔女を最高のアートにするのが夢だそうです。
唐突に自分の首を絞めたり「貴方達を芸術作品にする」「死んだら感謝してよね?」等と嗜虐的な言動が目立つアリナ。
また随分と危なそうな子が出てきました。こう言う毒牙に染まった狂人は一般人の感覚と掛け離れているので絶望させるのは難しい様に思うのですが、キュウべぇにとってメリットは有るのでしょうか?キュウべぇがそこまで下調べして契約先を選んでるのかは前から疑問ですけど。
そしてマギウスの翼ってこんなのばっかなのでしょうか?
ますます危うい集団に思えてきます。AIだって賛同出来ないぐらいですし。
面白半分も含め叛逆するアイを粛清する為にさなを始末しようとします。
自分のドッペルを駆使してアイに致命傷を負わせますが、強制退去されました。
このまま終わりそうにも見えないので次回反撃の狼煙を上げそうな予感。


- 全体的な感想として、これまでの話はういを探しつつもいろはがみかづき荘を通じて仲間を増やしていく流れという印象です。

性格は悪くない物の対人関係が苦手ないろは、
親友を失ったやちよ、
一時的に疎遠になった鶴乃、
家族を失ったフェリシア
居場所を求めたさな、
しょっちゅう絶交し合うレナとかえで、
現在二人の輪の中に入れそうにないももこ。

 

マギレコのメインキャラは何かしら孤独を味わっている人物が殆ど。

まどマギの頃からマミや杏子、ほむらと言った前例も有りますがこちらは最後まで全員で結束と言う展開にはなりませんでした。
こう言う人間達が次第に共闘出来ていく様は私にとって目を惹く要素です。

 

しかしやっと劇中に「ドッペル」と言う単語が出てきたのは助かります。
これで呼び方に困りません。