★ 流れ星の器 ★

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『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-第3章』感想

yuyuyu.tv本来ならば、原作であるノベライズ版を読破済み、10月に放送される2期前半の先行上映と言う内容なので始めは観る気が無かった『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-
その第3章をこの間の連休内に思い切って観に行きました。ネタバレが多いです。 

 

 で、率直な感想を言えば
前作、前々作を映画館で観なかった事を心底後悔しました。

やはり巨大スクリーンに映される映像は小説と印象がまるで違い、また全てが原作通りと言う訳でなく所々変更点があります。何よりも勇者であるシリーズを映画館で観れるチャンスを逃してしまった事はファンとして大変惜しい事をした、と言う気持ちです。最も一章公開時は「今は見たくない」と言う理由で上映場所を詳しく調べなかった自分に落ち度がありますけども。なので3章を観る為に思い切って1章2章を纏めて買いました。金銭面ではホントに後悔しました...

 

それで今回初めて映画館で観た鷲尾須美の章。たった1時間と言う短時間でしたが内容は兎に角濃く、終わった後の観客は誰もが沈んだ顔に...映画館を出て前の客2人から初めて聞こえて来た声が

「きっつ.....」
「キツかったなぁ.....」

でした。まあ、当然な反応だとは思います。中には結城友奈の章の結末を知ってるので別に泣けなかったと呟く人も居ました(私もその内の一人です)。しかし勇者であるシリーズは10月に二期が放送されます。まだまだ安心は出来ません。

 

ここからは本編の内容へ。
物語はいきなり前回死亡した銀の葬儀からのスタート。
原作で飾られてた笑顔の遺影は無く、代わりに棺に納められた遺体がクローズアップされてます。
あれだけ傷付けられたのに凄く綺麗に棺で眠る銀。活発な性格だった故に今にも目を開けて冗談を言い出しそうな。そんな風に見えてします。この様な感覚を覚えるだけでも1,2章を見る価値があったなと。

また銀の家族の反応や周囲の人間の描写も細かく描かれてます。特に弟の鉄男が悲しみで暴れ出すシーンは小説には無く、痛々しくて目も当てられません。

そんな悲哀に浸る暇も許さず現れるバーテックスに対し怒りに燃える須美と園子の戦闘も今回の大きな見どころではないでしょうか。

戦闘終了後は銀の分まで日常を謳歌する須美と園子が描かれます。

 

そして物語最後に判明するアップデート後の勇者システムの真実、四国外の実情。それを体験してしまった園子と須美。
園子が四国外の真実を知ったのは直接壁の外へ出た為と解り易い構図へ、満開時の姿も巨大な船に載ると言う大幅な変更がなされてました。映像作品故に見栄えも派手にしたのでしょうか。原作では名無しだった教師も安芸先生と名前も与えられてたり「国防仮面」登場など、こう言う点が映像化の醍醐味です。
『結城友奈の章』では見れなかった流血シーンの多さも須美達の勇者システムが友奈達の物よりも旧バージョンである事を上手く表現してます。ていうか一部のシーンはテレビ様にカットまたは修正されそうですね。

個人的にはED後にもう1シーン欲しかったですかね。特に園子は結城友奈の章の展開で重要な役割を果たすのでそれまでの彼女の心情を現した番外編のシーンは少しくらい映像で観たかったかなと。結城友奈の章では彼女が何を思って東郷さんに壁の外の実情を話したのかは描かれませんでしたから。

 

そんな気持ちを補うかの如く、今回の特典付録として朱白あおい氏によるミニノベル「追憶の園子」を手に入れました。

http://yuyuyu.tv/news/wp-content/uploads/2017/03/388d08e37eb8789b6e5001e53a805abf.jpg

満開を繰り返した事で全身不随になった園子が、如何に苦しい2年間を過ごしてきたのか描かれます。
バーテックス達を倒した事により最早神に等しい存在と崇めら続ける園子ですが、園子が幸せを感じる事はありません。
銀も死に、体も動かせず、須美にも会わせてもらえないまま異様な病室の中で祀られ続ける園子。崇められると言うのは聞こえは良いですが実際は大赦に管理される日々。仕方のない事と自分に言い聞かせ耐え抜いてきた物の、欲しいのは神の様な名誉や地位でも豪華な食事でもない。友達と過ごす普通の日常であり、遂に耐えきれなり一人泣き叫ぶ場面は最早絶望その物。全力でファンの心を折りに来るスタイルですか...

これが結城友奈の章8・9話→ノベルズ版鷲尾須美は勇者である特別編へと続くようですね。ちなみに2章では銀が主人公の「銀色の記憶」を入手出来たとか。うーん、ますます劇場へ行くべきでしたよ。ファンムックとかで付属されませんかね。

 

以上『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』の感想でした。

先ほども言った通り、この鷲尾須美の章は10月から放送される第2期の前半にあたり、後半は新規の『勇者の章』が描かれます。続編が有る事はファントして喜ばしいですが、同時に辛い展開がある作品の続きと言う事は再び辛い展開が待ち受けると言う若干の恐怖も有ります。

オルフェンズやら龍騎やらまどマギやら見て来たので多少は鬱展開に慣れてたと言いたい所ですが、それでも一番恐ろしい可能性は1期から登場していたレギュラーキャラの死ですね。ゆゆゆシリーズは観てて不快になるキャラが個人的に居ないので。おまけに『その後の園子』で明かされた「量産型勇者システム」の存在など第2期も展開的に不安要素が多いです。

はたして彼女達の世界の事態が丸く納まる日は来るのか。